カーナビの便利機能である「VICS」とは
カーナビには欠かせないVICSとは?
VICSとは「道路交通情報通信システム」の英語略で、一般財団法人の道路交通情報通信システムセンターが提供しているサービスです。
日本全国から24時間絶え間なく、渋滞情報や通行規制、事故などの情報を収集して発信しています。
カーナビはこの情報を受信して、渋滞などのデータを地図上に反映させているわけです。
車載用のカーナビでもナビアプリでも多くのサービスは渋滞情報が表示されていますが、ほとんどはこのVICSを使用しています。
VICSは刻々と変わる道路状況に応じて情報を常時発信していますので、カーナビも常にVICSを受信して、画面上の渋滞表示を変えたり適切なルート案内などに生かしているのです。
VICSの仕組みについて
VICSは、まずさまざまな場所から渋滞情報を集めています。
具体的には、道路に埋め込まれたセンサーや柵やポールなどに取り付けられた検知器、ライブ映像などから、それぞれの地点でどのくらいの渋滞が発生しているかが分かります。
こうしたデータは基本的に都道府県ごとの警察や、高速道路管理会社などが収集しています。
そして、このデータをVICSセンターという運営団体の施設に集約して処理します。
渋滞情報などのデータは、カーナビに送信しやすいデータに変換されます。
そして、FMの電波に流して配信します。
その電波をカーナビが受信して利用するという仕組みになっています。
このFM電波は全国各地に設置されているNHKの放送局から発信されています。
NHKでは通常の音声方法としてFMを使っていますが、その一部の帯域を使ってVICS情報を5分おきに発信しているわけです。
FM以外のデータ発信もあります。
光ビーコンと呼ばれる方法で、主要道路に設置された赤外線発射装置によってデータが発信され、ナビが受信できるようになっています。
光ビーコンの場合は受信できる範囲が3.5メートルと狭いですが、より限定された範囲の交通情報を送るのに適しています。
具体的には、進行方向の30km程度、後方1km程度の交通情報を発信しています。
電波ビーコンという方式は高速道路で使われています。
電波を発射して200kmから1,000km程度の範囲の交通情報を配信することができます。
VICSの表示タイプ
VICSの情報はいくつかのタイプがあり、まず地図で表示されるタイプとなります。
混雑状況を色分けして表示すると共に、駐車場の場所や空車かなどの表示、速度規制や通行止めなどの規制表示をします。
アイコンや色で確認しやすいのが特徴です。
簡易図形表示というタイプでは、看板のような形でテキストとアイコンでのみ表示されます。
もう一つは文字表示で、エリアごとの渋滞情報や規制などの情報を30文字以内の短文で表示してくれます。