渋滞予報士というお仕事

NEXCOで活躍する渋滞予想のエキスパート

各エリアの高速道株式会社(NEXCO)に所属して、渋滞予想を専門に行うスタッフを指して呼ぶ名称です。
この仕事は、気象予測を専門に行う気象予報士とは異なり、国家試験に合格して得られるものではありません。
ただ各NEXCOにおいて、高速道路の渋滞予測を専門に担当するプロフェッショナルとして活躍している事から、平成19年頃から社内でこの名称で呼ばれるようになりました。

特に、全国の路線の中でも有数の渋滞発生路線のある関東圏を管理するNEXCO東日本では、多くの渋滞予報士が活躍しています。
ここではあまり聞きなれない「渋滞予報士」の仕事に注目してみましょう。

担当する役割

担うメインの役割は管理する路線の渋滞予測です。
過去3年程度さかのぼって発生した渋滞データに基づき、渋滞の発生が予想される月日や時間帯、長さ、通過予測時間の予測を行います。

渋滞の発生原因はさまざまな理由が指摘・実証されており、例えば、トンネルの手前が登り坂になっている場所など「高速道路が通るエリアの地形に起因するモノ」が代表的です。
また臨時的に発生する渋滞として「道路工事や事故が原因の渋滞」あるいは「並行して走る路線の影響」、「特定の場所で開催される催しに参加する車両の増加」などが挙げられるでしょう。

このようなさまざまな要因を勘案し、エリアの情報などを幅広く収集した上で、過去に発生した実際の渋滞データに照らし合わせます。
そして、高速道路がスムーズに通れる限度のクルマ台数と比較検討して、渋滞予測を決定するのです。

交通量に関する統計の作成

高速の各路線には交通量を自動で収集できる計測装置が設置されています。
この機器は「トラフィックカウンター」と呼ばれるもので、この装置の記録から交通量に関するさまざまの数値を取得して、分析するのも渋滞予報士の重要な仕事の1つです。

路線や区間、時間帯等別に収集したデータは、渋滞予測のみならず、路面の舗装工事を実施する時間を決定するとき等の重要な数値となってくれます。
出来るだけ通行規制による渋滞という人為的な渋滞は無くそうというわけです。

渋滞予測情報を公表したドライバーをサポート

予想した渋滞予測は、WEBでだれでも閲覧が可能なように公開します。
NEXCOサイトにある渋滞予測ページがそれです。

予測を見る場合は、カレンダーで日付を選び路線を選択すれば、渋滞が予測される区間と、距離、通過時間、発生要因が表示されます。
このように見てくると、渋滞予測は入念に検討されてドライバーへ提供されていることが分かるでしょう。
各ドライバーが合理的に行動して、混雑のピークを避け快適に走行できるように、予想からリードしてくれているのです。