日本で1番渋滞する高速道路は…
偏りがあると思われる渋滞区間
テレビのニュースや各種の渋滞回避ナビを見ていると、クルマの量や道路事情などが偏っているのか、常に同じような箇所や路線で渋滞が発生していると感じることはありませんか。
確かにトンネルの入り口付近が登り坂になっている場合など、良く渋滞が発生している特定の地名は聞きます。
国交省もこれに対応しようと考えたのでしょう。
道路機能をアップさせて渋滞解消を図るために、実態を把握すべくビッグデータを活用しつつ、合理的かつ効率的に渋滞箇所や時間帯などを調査しています。
その結果を活用して、早期に渋滞を解消・緩和して、安全で快適な道路事情を実現してもらいたいものですね。
2017年の国土交通省の調査による渋滞ランキング
2018年の4月に国交省は、2017年の高速道路渋滞状況の調査結果を、年間ワーストランキングとして発表しました。
集計対象の道路は、各高速道路会社(NEXCO)が管理している高速自動車道、国道、それ以外の公的機関が管理している有料道路です。
集計した対象期間は、シーズンを通してみる必要がある事から、2017年1~12月の1年間です。
高速道路の渋滞ワースト1位が中央道上りの調布~高井戸間で、やはり首都圏周辺でした。
同じく高速道のゴールデンウィーク期間に限れば、東名高速上りの御殿場~大井松田間で、やはり首都圏から観光に出かけた車両によるものと思われます。
一方、都市高速では意外にも、渋滞ワースト1位は、神戸線の下り西宮JCT~第2神明ランプとなっています。
ゴールデンウィークでも同じ区間の逆方向、第2神明ランプ~西宮JCTでした。
渋滞によるロスの推計
高速道の渋滞が原因でロスした時間を示す「渋滞損失時間」のトータルは、2017年の年間で2.1億人・時間だそうで、これは、年間で約10 万人超の労働力に当たると言われています。
このロス時間は高速道路を利用したすべてのクルマ1台当たり7分間に相当するとのことで、渋滞がない時間も多いことを勘案すれば、やはり長いと言えるでしょう。
経済成長のために生産性の向上が必要だと言われますが、渋滞に関してはネット通販やオークションでの個人間売買の増加の影響もあり、ロス時間は前年比で+8パーセント増えています。
また、ワースト上位区間は大都市中心と周辺の接続部に位置しており、一部の区間で多くの渋滞が集中している傾向が続いています。
渋滞要因の分析では、上位30位の渋滞ロス時間のうち、約50パーセントで時速40km以下の渋滞で発生し、その約60パーセントは車両数の集中を要因とするモノでした。
また、約30パーセントは交通事故を要因とするもの、10パーセントがその他要因と分かりました。
このように要因分析が進み、最適な改善策が施されば、渋滞に悩まされる事無く快適な運転が期待できるため、国交省には頑張ってほしいものです。