ETC普及によって渋滞は減っている

今まで渋滞の3割は料金所で発生していた

行楽シーズンと帰省時期は、毎年主要な高速道路で大渋滞が発生します。
渋滞の発生原因は様々なものがあります。
道路上での事故や故障によるケースも多いですし、坂道で速度が落ちることによる自然渋滞も特定箇所ではよく見られます。
こうした渋滞原因は減らすのが難しいことも多いものです。

一方で、システムを改善することによって軽減された渋滞原因もあります。
それが料金所付近での渋滞です。
以前は、すべてのドライバーが高速道路の入口では切符を受け取る必要があり、出口では料金を支払っていました。

当然、一度料金所で完全停止しますし、支払いのために手間取ることもあります。
特に大きな都市やレジャー施設があるエリアの高速出口では、料金所が一杯になり、そのまま高速道路本線まで車が連なることで渋滞が発生していまうことも珍しくありませんでした。
こうした料金所が原因の渋滞は、今まで全体の3割程度を占めていたのです。

ETC導入によって渋滞が低減されている

こうした状況を解決するために、ETCの導入が急ピッチで進められることになりました。
このシステムは1994年に、現在の国土交通省が道路公団と協力して開発をスタートして、2001年になって全国で本格運用が開始しました。
特に1990年代は記録的な大渋滞が、お盆休みや年末年始、ゴールデンウィークの時期に発生していましたので、早急な開発と実用化が急がれていた時期でした。

そして、実用開始後はより多くの自動車にETCシステムが取り付け、利用されるように早朝夜間割引、休日割引などの割引制度がたくさん設けられていました。
こうしてETCが普及することによって、料金所付近での渋滞が軽減されています。

ETCは車載の無線システムによって自動的に高速道路への進入、そして出口での料金徴収をすることができます。
料金所では時速20km程度まで減速する必要がありますが、それでも完全に停止することがないので比較的スムーズに流れていきます。
こうして以前は休日の度に渋滞が発生していたような料金所でも、かなり渋滞が減り高速道路本線まで影響を及ぼすようなことがなくなっています。

また、ETCは無人でも運用できるという大きなメリットがあります。
そのため、通常のインターチェンジだけでなく、一部のパーキングエリアにもスマートICが設置されるようになっています。
ETC設置車限定で、従来のインターチェンジの中間地点で高速道路を降りられるのです。

こうして、料金所での手間が省けただけでなく、自動車が降りる地点の分散もできるようになり、さらに渋滞の低減に貢献しているというわけです。
現在でもスマートICの設置が進んでいますので、さらに利便性が高くなることでしょう。