築地市場の豊洲移転が東京の渋滞を悪化させる?

問題が山積みの築地市場の豊洲移転

築地市場を豊洲に移転するというプランは、土壌汚染の問題を軸に様々な意見が出ていて、はっきりとしたビジョンが見えていないという状況にあります。
もちろん、豊洲に移転するという流れが変わることはないにしても、様々な紆余曲折があることは明らかです。
その一つの問題の一つとして、交通機関、道路状況に関する問題があります。

築地市場が豊洲に移転すると、周辺エリアの混雑がかなり増大するという見込みがあるのです。
もちろん、これは築地に仕事に通っていた人たちや、鮮魚などを配送するトラック、観光客などがそのまま豊洲に向かうようになるという変化が関係しています。
しかし、問題はそれだけではないのです。

豊洲市場周辺には公共交通機関がほとんどないという弱点

築地市場が豊洲に移転することによって、道路の混雑がひどくなるという予測は、単に築地に向かっていた自動車がそのまま豊洲に向かうことになるという単純な問題ではないのです。
というのも、豊洲周辺にはほとんどと言って良いほど公共交通機関が整備されておらず、実質的な公共交通機関と言えばゆりかもめくらいなものしかないからです。
一方の築地は、東京屈指の繁華街に近いということもあって、鉄道網が発達していますので、かなりの数の人が自動車ではなく鉄道を利用しています。

しかし、豊洲市場にはこうした公共交通機関で行くことができませんので、仕事に通う人も観光で行く人も、買い物に行く人も、自動車を使うことになります。
自分で運転して行くことがないにしても、バスやタクシーを使うことになりますので、どのみち道路には築地以上の自動車があふれることになります。
鉄道、地下鉄が整備されない限りは、このトラブルを防ぐことは難しいので、渋滞の悪化は明らかなものとなるでしょう。

道路の整備を早急に進めるしか方法はない

将来的には長い年月をかけて鉄道整備などが可能になるかもしれませんが、そのためには相当な時間がかかります。
そのため、とりあえずの手段としては道路の整備をスピーディーに進めていくしかありません。
実際、周辺エリアの道路はいろいろな形で整備がなされていますので、徐々に渋滞が解消していく可能性はあります。

しかし、道路整備にしてもすぐにできるものではありませんし、豊洲市場へ入るポイントばかりはいくら道路を整備しても、自動車の交通量自体が減らない限り渋滞が解消するのは難しいことです。
どのように都市計画を調整していくかは未知数ですが、東京の台所ともなる豊洲エリアの道路状況は都民の生活に直接関わることだけに、渋滞回避のために綿密なプランが必要になるのが間違いないことです。