safe swarm

ホンダが先進技術を結集させた円滑な交通を作るシステム

ホンダが平成29年に、世界最大と言われる最先端技術の見本市である「CES」で発表したシステムの名称です。
ホンダはこれまでも、AI技術を駆使した感情を持つエンジンを積んだ自動運転車やバランスをとって自立可能な二輪車など、世界に先駆けた技術を発表して驚かせてきました。

今回発表したsafe swarmは走行性能に関するものではなく、円滑な交通の流れを実現して、渋滞を軽減あるいは解消するシステムを指します。
ここでは生活のクオリティを高めることを目的としてホンダが開発を進め、発表したsafe swarm関連の説明をします。

「safe swarm」で道路交通の流れが円滑化する理由

「safe swarm」は、インターネットやクルマ同士の通信技術である「V2X」等を駆使して、全てのクルマと社会基盤を繋げて情報を共有して交通全体の流れを円滑にしようという仕組みです。
英語のswarmは群れという意味で、クルマを魚に見立て、道路を走る複数のクルマを「魚の群れ」に見立てて着想されたとされ、周りを走るクルマとの調和を図り円滑に動く事をコンセプトにしています。

自分のクルマも周りのクルマも互いに繋がり合い、様々な情報を共有し合う事で、円滑な道路交通の流れを生み出し、渋滞を解消して安全で効率的な交通社会を築こうというのです。
このことは今や世界的な潮流となっています。

この実現のため、クルマ同士のデータ交換などによる情報共有で交通状況や障害物情報などの客観的データのみならず、互いの車線変更や高速入り口などでの合流速度を分析します。
具体的にsafe swarmで実現する事の1つは、個別のクルマの車線変更や合流で、タイミングよく加速・減速出来るようドライブをアシストする事です。

その後、合流・車線変更に最適の速度やタイミングをはじき出し、ドライバーに伝えてくれます。
それはまるで道路を走行する各クルマが情報端末であるかのようにネットワークに繋がり、コミュニケーションをとりあっているかのようです。

これを実現する前提として、クルマの状況を正確に判断し、安全なドライブを支援するシステムが必要となります。
この点ホンダは、平成27年に既に無線通信を使った、ハイレベルなクルマ搭載通信機「V2Xユニット」を完成させました。
これはクルマのみならずスマホを持つ歩行者さえ、リアルタイムでネットワーク化できるシステムです。

期待される国内での普及

それぞれのクルマがつながり合えるコネクティッド技術を搭載したクルマの国内予測台数は、2025年で1000万台であり、これから急速な普及が見込まれます。
今国内でも盛んに言われることのひとつに、生産性のアップがありますが、道路事情がよくなり渋滞が解消されれば、物流コストも大幅に削減できるでしょう。

また、トラックやバスのドライバー不足にも良い影響を与えるはずです。
渋滞を無くし、誰もが効率的に快適にドライブする事が出来る社会が近づくよう、この「safe swarm」システムの実用化と普及が待たれるところです。