原因

交通渋滞のことを、よりよく理解するためには、その原因をつきとめることも重要になってくるでしょう。

渋滞の原因には、通学や通勤、帰省、旅行などによる交通量の増加、事故や自然災害の発生、道路や建物、水道管、ガス管などの工事、信号現時不適、道幅や車線数の不足、道路を横断する歩行者や自転車、右折車、左折車による影響など、さまざまなバリエーションがあります。

それらの渋滞原因を調査する、渋滞長調査と呼ばれるアルバイトが募集されるケースも存在しますので、関心やニーズのある人は応募して、取り組んでみるのも良いでしょう。
 

渋滞長調査

その種のバイトでは、信号待ちなどをしている車列の先頭と、最後尾に調査員を配置して、渋滞や滞留の長さや、最後尾車両が停止線を通過するまでの時間などを計測し、調査表へ記録するのが主な仕事内容になります。

そして、渋滞が発生している場合には、その原因を予想して、複数の候補の中から近いものを選択する作業が必要となることも少なくありません。

そうした調査の結果得られたデータは、将来にわたって、信号機の設置や調整、道路の区画、整備などをするために有効活用されることとなります。
 

この仕事をしてみると分かりますが、渋滞の原因として、信号現時不適が問題となっているケースはめずらしくありません。

信号現時不適とは、通行する車の台数が多いにもかかわらず、青信号の出ている時間が短く設定されていることにより、渋滞が発生する事例のことを意味します。そのような問題が起こっている場合には、信号機の調整をおこなうことによって、渋滞が解消される可能性が低くはありません。

ただし、交差点などでそうした調整をする際には、一方の信号で赤が表示される時間が長くなったり、別の信号機とのバランスが悪くなったりして、新たな渋滞が発生するリスクもありますから、注意する必要があります。そのような問題を回避するため、渋滞調査の仕事は、対象とする交差点に存在するすべての道路、及び付近にある複数の地点に於いておこなわれるケースが稀ではありません。
 

渋滞の発生地点

渋滞の発生する原因としては、工事や事故などの影響もさることながら、交通集中によるものが高い割り合いを占めているという実情があります。

また、交通渋滞が起こる場所は、下り坂から上り坂にさしかかる凸部(サグ部)が最も多く、その他にトンネル部やインターチェンジ合流部、隣接する道路などが挙げられるということです。

ただし、ETCが普及して、料金所で、ドライバーと係員が金銭や券の受け渡しをする必要が少なくなったことにより、それらの場所に於いて発生していた渋滞は、かなり少なくなってきているそうです。
 

その内、一番多く渋滞が発生するサグ部では、上り坂で速度低下する車両に合わせて、無意識のうちにスピードダウンする車両が存在し、後続車両との車間距離が縮まるケースが少なくありません。

そのような経緯から、後続の車両が次々にブレーキを踏んで、渋滞の発生する確率が高くなります。また、ジャンクションやインターチェンジから流入する車両があると、一時的に交通容量が不足し、渋滞が発生するリスクが高まります。

そして、ETCが普及したことで、料金所付近に於ける渋滞はほぼ解消したものの、ETCが設置されていない場所では、未だに一旦停止する車両による渋滞が発生する可能性があります。

また、前方にトンネルが見えてくると、圧迫感や暗さのために、一時的にスピードを落とす車両が存在することから、渋滞になる確率が高いようです。